季節は秋ですね。
夜間の気温がグッと下がる頃を迎えると
私の生態特性的にアジを無性に釣りたくなりますw
そんなワケで、今回からしばらくの間
アジングについて、私の知りえる知識と経験を
各パート毎に分けて紹介していこうかなと思います。
正直、毎回なんのネタ書こうかな?と考えてるうちに月日だけが経過してる現状なんで、もぅある程度魚種なりを絞り込んで確実に積んでいくことにしますねw
それでは、今回はアジの生態とそれを踏まえた上でのポイント選びについて
あまりクセの強くない(難しくない)範囲で私見を書き連ねてみます。
初回である今回は…
アジ(マアジ)の生態とポイント選びについて
アジは日本本土に広く分布している大衆魚であり、海水温13~28℃ほどを好むとされる温帯性の魚です。活性&接岸率の高い適水温は16~24℃くらい
海水温の上限にはある程度の耐性がある印象で、30℃超えても釣れる時は普通に釣れる感じだけど、下限のだいたい14℃以下になると極端にシブくなり接岸率も低下する。
まぁ私の住む九州においては、海水温が14℃以下になる海域ってのはかなりレアだから、こっちに関しては周年何処かしらで釣れている感じになります。
食性は肉雑食系
海藻とか海苔とかは好んで食べないみたいだから(肉)つけてるのだけど、1cmにも満たない動物性プランクトンを常食に、口に入るサイズのあらゆる動物系ベイトを捕食する。
胃のなかによく入ってるのが、ゾエアやメガロパ・アミエビ・ヨコエビなどの甲殻類系のマイクロベイト。
続いて…
バチ、サカナの幼魚(~9cmほどまで)なども好んで捕食しているようです。
んで、アジには回遊特性の異なる二つのグループがあって
ひとつが、大海でベイトや適水温を求めて北南へ大きく回遊する大航海タイプ(いわゆる〝セグロ〟とか呼ばれてるスレンダーなアジ)
コイツらはブリやカツオなどと同じような回遊魚らしい動きをするので、まさに青物と呼ぶにふさわしいタイプのアジたち。
もぅひとつが内湾や小規模な漁礁群など、ある程度の範囲のエリアに定位した地着きタイプ(黄アジと呼ばれ、ご当地のブランドアジに指定されることの多い、体高と体厚があるマッッチョ系アジ)
と、まぁアジは前途したこの2つのタイプに大別されるのだけど
正直、細かい釣り別けなどはないと感じているし、目前のフィールドで釣れているアジがどっち寄り?というレベルの話で、学術的にも同じアジとされていて、どちらも一様にアジングで釣ることができる。
加えて…我らアングラーが最も意識したいのが
〝アジの日単位の回遊特性〟
アジは、いわゆる『日周鉛直移動』をする魚である。
簡単にいうと、日中の光量が多い時間帯は沖の深場で過ごし、日が傾くに連れ沿岸域の浅場へ移動し、夜明けとともにまた沖の深場へ移動するといった行動を日単位で行う。
だから、岸からアジを釣る場合、彼らの接岸率の高い時間帯=釣りやすい時間帯は夜間であり、これらの理由からアジングは、ナイトゲームがベースの釣りとなっている。
この日単位の行動パターンについては
アジの常食ベイトとなる動物性プランクトンの行動パターンとリンクしていることと、アジが好む光量域の変化とそれを求める移動
この二つが相まって『日周鉛直移動』をすると推測されている。
でも、日中浅い漁港の船影に大型のアジが溜まっていることも良くあるし
そもそも豆アジなんかは日中でもシャローに居座っていて、サビキ釣りの好ターゲットにされるくらいだから絶対的な話ではない…しかし、良型のアジを釣るための生態的な行動特性として知っておいて損な話ではない。
むしろ、注視したいのは、そういったシャローに魚が残る要因は何なのか?を考察することにあり、それが紐解ければ更にアジが釣れるようになるわけですw
続いて、先ほども触れた通り〝アジには好む光量域〟がある。
これも絶対ではないのだけど…アジは基本的に昼食性の魚とされ、真っ暗闇では絶食状態になるという研究結果がある。
この習性はアジを釣る上で私は結構大切だと思っていて、夜間が釣りのベースとなるアジングにおいて光量=光源はあるに越したことがない。
わかり易くいうと、漁港や道路脇の街頭などの常夜灯、自動販売機の明かり、月明かりなど、何かしらの光量があるほうが彼らの捕食活動を行いやすくすると感じる。
また、彼らが好む動物性プランクトンなどにも『走光性』という〝光に集まる習性〟があるので
夜間にアジを釣るなら〝まずは光源のあるフィールドへ〟
というのが、アジングポイント選びの定石である。
ただ、ここで注意したいのは
例えば、満月周期で空全体が明るすぎる状況だと、そもそもアジの接岸率が下がる傾向にある。これが不思議なもので、実質的な光量の乏しい曇天や雨天であってもこの傾向がある。まぁ、魚と月暦は切っても切れない関係性にあるので、生態的あるいは本能的にその周期がインプットされていて、彼らの行動起源に関わっているのはアジだけの話ではないと感じている。
だから、新規ポイント開拓や入門者のかたは、新月周期で光源のあるポイントでアジングを行うほうが釣れやすい傾向にあると思う。
まぁ、これも産卵期などの接岸行動の際は、関係ない(寧ろ満月のほうが釣れる)傾向もある印象を受けるし、そもそも光源の存在しない真っ暗闇なポイントでの釣りなら、月明かりくらいの光量はあったほうが良いケースもある。
まぁこのあたりの話は、盛期の季節感含め地域性やポイント差が大きいので
あくまで生態ベースで考えた時に、月はないほうが良い、光源はあったほうが良い、という定石を抑えていただければと思います。
と、話が相変わらず横道にそれそうなので…最後に
アジのポイント選びの際に、光源に加えて私が意識していることは
ベイトがいること
潮流があること
海底が砂や泥質ベースであり、近くにブレイクラインや沈根、海藻帯などの変化があること
だいたい、光源も入れてこの4~5つの条件が揃えば揃うほど、アジが釣れるポイントとして実績や確率が高いと思います。
アジングはソルトルアーゲームの中では、かなり敷居の低い釣りだと思います。
夜の釣りだけど、車横付けの護岸で常夜灯の下だけでも十分成立する釣り。
道具立てさえ極端に間違わなければ、釣れているポイントでプロと初心者で0:100なんてことにもならない。
だけど…私にとっては、たかがアジ。されどアジ。の愛しき好敵手
次回は、アジングの基本リグである〝ジグ単(ジグヘッドリグの釣り)〟について、道具立てから基本的なアプローチまで紹介しようと思います。