チニングも随分と認知度が高くなってきたルアーフィッシングのひとつだと感じるこの頃。
ネットやSNS の発達で、今までニッチで共感性に乏しかったジャンルの釣りにおいても、同じ思想を持つもの同志の繋がりをつくりやすくなったのが大きいかと思う。私自身も全国のチニング愛好家とネットを通して交流することでモチベーションの向上や維持に繋がっていると感じるし、欲しい情報だけを掻い摘んで拾っているので余計にそう感じるのかな?とも思うw
前置きはさておき、チニングにおけるタックルの進化も随分目覚しくなってきた
特にロッドに関しては、シチュエーションやアプローチ、使用するルアーの重量などに対してのバリエーションも増えてきたと思う
まぁ、従来までがシーバスやエギング、ライトゲームやバスフィッシングの合間にちょろっと遊ぶ的な扱いの釣りだった(今も絶対多数はコッチだけどw)ので、ロッド含むタックルもそれらの代用が主体であり、ある程度自身のニーズや好みに対してマストなものを自ら選別するスキルが必要であったが、今はまぁライト思考ならオリムのシルベラードあたり買っとけば、まぁ大きく外しはしないんじゃない?とすら思うw
そんで、ロッドが多様化し成熟してくると必ず出てくるのが
ベイトが良いのか? スピニングが良いのか?
っていうハナシである
まぁ、当然一長一短あるわけで、正直好きなほうを使えばイイじゃんって思うんだけど…一応、効率化と機能的なタックルセレクト論で『現場に一本持ち込むなら?』で言わせてもらうと、私は断然スピニングである。
その理由も単純で、簡略化できる作業がスピニングのほうが多いから。
あと、私のホームリバーが砂泥底系の広大な一級河川なんで、ピンが乏しく探り釣り的なゲーム展開が主体となりやすいこともあり、許容範囲の広いスピニングのほうがフィールドにあっているというのも確かだ。
まぁ、ベイトならではの不自由さを扱えてる自分やその感覚が好きな人はベイト一本で良いと思うし、実際、スピニングよりもベイトのほうがむいてるなって感じる釣りやシチュエーションもある。
ここからは、そんなチニングあるあるなアプローチやシチュエーションに対して、私ならどっち?という基準で解説してゆきます。
まず
飛距離を優先するなら?
絶対、スピニング
慣れれば変わらないくらい飛ぶとは言われるけど
ペンデュラムで振り切りやすいスピニングのほうが、やはり如何なる状況でも安定した飛距離を出せると思う。そもそもチニングにおいては、重量のある大きなルアーを太いラインで扱う釣りではないわけで、その辺がスピニング優勢かな?と感じる理由。ベイトは軽量物を扱い難いってのは過去の話ではあるけど、それでもスピニングほどの手放し感はない。これはタックルの構造的にまぁ仕方ないので、どっちが飛ぶ論なら絶対にスピニングであり、実際ショアからのキャスティングゲームとなると飛距離は切っても切れない釣果に直結する重要ファクターのひとつであるわけで、トラブルレスで扱いやすく安定した飛距離が出せるスピニングにはどこまでいってもベイトは追いつけないのかな?と思う。
ただ、橋脚やリップラップのピン打ち、サイトフィッシングなどの近〜中距離の手返しやアキュラシーを求める釣り、予めやること・やる場所が決まっている釣りとなると、ベイトのほうが有効的で効率的なシーンもある。つまり、ベイトで飛距離が十分足りている釣りであれば使えるシーンも増えるということ。
次はアプローチ編
ボトムで巻きの釣りをするなら?
これも、私はスピニング
これは実際やってきて、個人的にはけっこう目から鱗だったんだけど
ベイトはリグが浮きあがりやすい。
スピニングで巻いている時と同じ感覚(ボトムのコツコツ感)を得ようとハンドルを巻くと、すぐにリグがボトムを切るんですよねコレが…。
もちろん、感覚的な部分だし、そもそもギア比の問題とかもあるので一概には言えないんだけど
ここで重要なのが、ハイテンション時の空中および水中に存在するラインスラック
言ってる意味が分かんない方も多いかと思いますが、要するにリグの存在感を感じ続けられるラインテンション値がベイトとスピニングではマルッキリ別物
コレもタックルの構造的問題なんだけど、スピニングの場合、アングラーがラインを張れていると感じている時でも、実際にはかなり糸ふけが出ているというか、何処まで巻いてもラインスラックを完全に回収しきれないのがスピニングといった印象で、それに対し、ベイトはビンビンかユルユルかの緩急差が極端といった感覚。
ただ、ラインテンションが多少緩くても感度が維持できるほうがボトムの巻きの釣りにおいては、低速域にも対応しやすいわけで…
根掛かりと切っても切れない関係性にあるボトムゲームでは、より軽量なモノを扱える感度に優れているほうが根掛かりも減らせるし、リグが完全にスタックしてしまう前のハズシ代があるほうが、低ストレスで釣りの継続をしやすい印象を受ける。
ただ、同じボトムゲームでもロッドワークによるアプローチとなると話はまた違ってくるし、敢えてリグを浮き上がらせたい時はベイトが優勢。
あと…そもそも浮くモノを潜らせてボトムを這わせるプラグの釣りも、また別の話ですね。
あくまで、沈みモノをボトムから離さずに巻き続けるチヌのボトムゲームのセオリー的アプローチという観点からみた際のお話なので悪しからず。
さてさて、次は…といきたいところですが
ショートバイト対策は、スピニング
(ベイトはリールを手に乗せている関係上、フッキング動作が遅れる傾向にあるから)
ライトラインで繊細に遊ぶなら、スピニング
(ドラグの問題)
などなど、頭に浮かぶ項目はベイト劣勢な内容ばかり…w
まぁ事実なんで仕方ないんだけど
逆に、ベイトのほうが優位性のあると感じるシーンを書いたほうが早いなと。
すみません、消すのも何なんでここで手短に方向転換させていただきます。
私がベイト向きだと思うチニングシーン その①
フリーフォールが主体の釣り
最も解りやすい釣りでいうと、近年ではガンクロとかいわれてるワームを用いた落とし込み釣り。
専用のタイコリールと比較するとこれもまた沈黙しちゃいますが、この釣りだけはスピニングではかなりの無理を感じる。ベールを操作しないとラインのオンオフが出来ないってのが最大の理由であり、まぁコレはやれば直ぐに解ると思う。
フリーフォールでの誘い→バイト→リニアなフッキング動作という点に関しては、岸壁でもキャスティングでもクラッチひとつ、親指ワンプッシュで対応できるベイトが良いなと感じる。もちろん、予めフリーフォールで落とす分を設定している時なんかは、ベール操作不要を前提にスピニング対応もできるんだけど、これもやること・やる場所が決まっている時にスピニングでもできなくはないって話なんで、優位性を言えばベイトかなと。
私がベイト向きだと思うチニングシーン その②
ショートおよびミドルキャストでのラン&ガン
特にクランクベイトやシャッドなどのプラグをリップラップやテトラ帯などで巻き倒すシーンとか、ワーミングでも手返し良く正確にピン打ちしていくような釣りでは、ベイトのほうが回収からキャストまでの動作が簡素化できるので効率的だと感じる。また、そもそもサミングでバックラッシュなどのトラブルを軽減し、着水時のライン処理を行うスキルが必要な道具なので、着水音や狙った所に正確に入れるアキュラシーの向上が得やすい。もちろん、スピニングでもこれは必要だし出来るに越したことはないが、ベイトのほうが普段の動作からこれを習得しやすく構造的にもやりやすいかな?と思う。
まぁざっくりですが、今書き進めながら考えて、ベイトが優勢と言い切れるシーンは上記2項目くらいかな?と思う。
はじめにいった通り、これはあくまで『ベイトか、スピニングか』という無駄な極論下での私の選択肢。
例え、非効率で無意味であってもベイトを扱う楽しさという感覚が解らない人間ではない。…だって、実際必ず持っていってるし、扱ってもいますから。
ただ、私はベイト一本あれば釣りが成立するとは思わないし、そもそも私の釣りのベースが、できるだけ多くの答えを釣果より導き出すスタイルなので、まぁ遊びの余裕がない釣りが主導という、効率化の釣りの中でベイトタックルをセレクトするシーンは、そりゃ正直そこまで多くはないわけです。
私にとってチニングはまだまだ知らないことのほうが多い発展途上の釣り。
まぁ、きっと一生発展途上の釣りなんでしょうけどね…。
最後に…
旧ブログで書いた『チニングにベイトフィネスを導入する理由』って記事が、未だ不動の人気記事みたいなのでリンク貼っときます。
ベイト導入当初の奮闘記であり、思考の変化を読み解けると思うので、お時間あるかたは あわせてどうぞw